食洗機を買って節約になったかと聞かれたら、「お金の節約にはなってないけど時間の節約とストレスの軽減になった」と答えます。
この記事では、食洗機の導入費用や食洗機を使った場合のランニングコスト(水道光熱費など)を詳しく解説し、実際節約になるのかどうか検証してみました。
経済産業省が省エネ対策に食洗機の使用を推奨していますし、食洗機の売り文句としても「節約になる」ことを強調しています。
それが本当に節約になるのか、はたまた嘘なのか気になっている方のお役に立てたら嬉しいです。
- 食洗機の導入費用ですでに節約にはならない
- 水道光熱費は節約になる可能性は高い
- 冬場も水で手洗いする人は節約にならない
- お金ではなく時間の節約のために買うのが吉
手洗いのやり方が各ご家庭でさまざまだと思うので、あくまで参考程度にチェックしてみてください。
食洗機はそもそも導入費用だけで節約にならないと考える
確かに食洗機は高機能で新しく新機種が発売されるたびに使用水量が少なくなってきています。
旧機種に比べて新機種は省エネかもしれませんが、そもそも食洗機自体がかなり高額な家電です。
実際に、2019年に食洗機を導入した際のトータルコストをまずはご紹介します。
食洗機の導入費用はいくらかかる?
我が家が初めて食洗機を購入したときは、子供が小さいとはいえ4人家族。
食器もそれなりに多かったので、ファミリータイプの据え置き型食洗機を購入しました。
2019年のことでしたので、ヤマダ電機オリジナルモデル(NP-TY11)を買うことで、購入費用をなるべく抑えました。
しかし、食洗機本体以外にも設置するにあたり必要なものがいくつかあります。
水栓につける分岐水栓と、置き場所が限られていたため、設置台を別途購入したので、トータルコストはかなりかかりました。
項目 | 費用 |
---|---|
食洗機本体 | 52,000円 |
取付け作業費 | 5,000円 |
分岐水栓代 | 13,000円 |
設置台 | 10,000円 |
総額 | 80,000 |
本体価格と設置台の費用を見込んではいましたが、結局全部で80,000円もかかりました。
うちは52,000円の安い機種を買いましたが、新機種だと約100,000円、型落ちでも約80,000円ほどしますので、トータルコストがかなり高いのがよく分かります。
本体の値段が高いので導入ハードルは高めで、さらに分岐水栓の取り付け工事でさらにハードルが高く感じられます。
そのため、初期費用をなるべく抑えるために、自分で設置作業をする方もいらっしゃいます。
- 中古品を買う。型落ちものでも充分使えます。
- 取付作業を自分で行う。
- 分岐水栓を自分で手配する。(※1)
※1 自分で分岐水栓を購入する際は、分岐水栓のサポートをしてくれるPanasonicさんのサイトが参考になります。水栓の品番が分からなくても分岐水栓サポートデスクもあるので、おすすめです。
どれだけランニングコストは抑えられる?
これだけの投資をして、本当に元はとれるの?と不安になりますよね。
手洗いと食洗機ではどれくらいかかるランニングコストが違うのでしょうか。
試しに、パナソニックの公式HPにある節約シミュレーションを使って、手洗いと食洗機のコストの違いを調べてみました。(手洗いVS食洗機節約シミュレーション)
食洗機 NP-TSP1(汚れレベル2・タンク給水)の場合、1回あたりの使用水量は約9 L。1年間で約30,660 L、1週間で約588 L、1週間でお風呂約3杯分(お風呂1杯あたり180 Lとして算出)の節水ができる。
Panasonic手洗いVS食洗機節約シミュレーション
1週間でお風呂3杯分であれば、かなり節水できそうですね。
実際には、ここに食洗機の電気代や洗剤代などがかかってきます。
食洗機節約シミュレーションだと、11,000円/年の節約ができると出ました。
導入費用を回収するには
食洗機を購入・設置するのに我が家は80,000円かかりました。
年間11,000円節約できるとして、もとをとるには7.27年かかることになります。
しかも、食洗機が7年もつかどうか正直わからないところ。
もし今100,000円ほどもする食洗機を買うとなったら、10年以上導入費用回収にかかってしまいます。
我が家が当時購入する時もこの壁にぶち当たりました。
そこで、食洗機を買う原点に立ち返ってみたのです。
- 優先順位の低い家事が残っていることへのストレス
- 皿洗いのことでの夫婦のいさかいが多い
- そもそも夫婦2人とも皿洗いが好きではない
- 皿洗いに結構時間が取られる
万が一、7年経たないうちに故障して買い替えになったとしても、これまでの皿洗いのストレスから解放されるならそこにお金をかけようとなりました。
食洗機で節約になるのか参考資料を集めてみた
我が家が食洗機を買ったのが5年も前なので、導入前と導入後の光熱費料金比較ができないため様々な数値を集めてみました。
まずは食洗機といえばパナソニックの節約根拠
導入費用のところもでもご紹介したパナソニックの節約シミュレーション。
パナソニックの場合は、4人分の食器点数を洗う時の手洗いと食洗機のコストの違いを算出しています。
水温20 ℃。10 Lのお湯(約40 ℃)でつけ置き洗いした後、洗剤を5.7 mL使用(1本315 mL入り164円(税込))〈日本電機工業会調べ〉して洗い、毎分6 Lで食器1点あたり13.5秒、小物1点あたり5.5秒流し湯ですすいだとき、使用水量は約51 L。〈日本電機工業会自主基準 標準汚染時〉【2023年7月現在】
NP-TSP1(タンク給水・「汚れレベル2」でエコナビ運転OFFの場合):食器点数24点・小物16点、水温20 ℃、食器洗い機専用洗剤を5 g使用する(1箱600 g入り475円(税込))〈当社調べ〉。使用水量は約9 L。
項目 | 目安単価 |
---|---|
電力料金 | 31円/kWh(税込) |
ガス料金(都市ガス) | 222円/m³(税込) |
水道料金(上下水道) | 262円/m³(税込) |
使用水量が手洗い51Lに対し、食洗機が8Lでは、13,362円と2,096円で11,266円も差があります。
ガス代(手洗い)と電気代(食洗機)の差はだいたい数千円のレベルと考えられるので、水道料金の11,266円差は大きいですね。
経済産業省の省エネポータルサイトの節約根拠
経済産業省の省エネポータルサイトには、家庭でできる省エネとして食洗機について紹介されています。
項目 | 目安単価 |
---|---|
電力料金 | 31円/kWh(税込) |
ガス料金 | 162円/m³(税込) |
水道料金(上下水道) | 260円/m³(税込) |
省エネポータルサイトの目安単価がちょっと古い年度の数値なので、特にガス料金がだいぶ変わってますが、それでも6,470円の節約になると紹介されています。
ガス | 水道 | 電気 | |
---|---|---|---|
手洗い | 13,222円 | 12,337円 | |
食洗機 | 2,808円 | 16,281円 |
手洗いと食洗機の費用内訳を見ると、ガス代と電気代の差は3,000円ほどしかありません。
それに対して、水道料金は13,473円も食洗機の方が安くなっています。
たとえ食洗機に入れる前の予洗いに水をたくさん使ってしまっていて、水道使用量がこれの2倍だったとしても、食洗機の方が安く済みますね。
北海道でんき保安協会による食洗機の節約根拠
北海道は、全国的に見て1番と言っていいほど電気料金が高い地域です。
そんな北海道の経済産業局が発行した「実践おうちで省エネ」にも食洗機について記載されています。
算出根拠となる各料金の目安単価は提示されていませんが、かかっている費用が食洗機でも手洗いでもやはり高いですね。
それでも、年間6,668円の節約になると算出されています。
節約になるかは数値根拠で示されている
各社手洗いと食洗機を使った場合のシミュレーションを紹介していましたが、分かったのは使用水量の大きな違いがランニングコストの差に影響しているということがわかりました。
たとえ予洗いに水を使っているとしても、手洗いより食洗機を使った方がランニングコストが安く済むということですね。
省エネ対策としても、食洗機の導入は検討の余地がありそうです。
ただ、注意点は全ての根拠がお湯を使った場合ということです。
冬でも水で洗う人は食洗機を買っても節約にならない
各社それぞれ食洗機は節約になるよと説明していましたが、あくまでお湯を使った場合の話です。
人によっては冬場でも水で食器を洗うという方はいらっしゃると思います。
年間を通して水で手洗いする場合は、食洗機を買ったら電気代がかかるようになるので、節約になりません。
ガス | 水道 | 電気 | |
---|---|---|---|
手洗い | 13,222円 | 12,337円 | |
食洗機 | 2,808円 | 16,281円 |
年間を通して水で洗う場合は、ガス代として13,222円かかっているところ0円なので、水道代12,337円だけで済みます。
水洗いで特に問題ないという方には、食洗機はおすすめしません。
今まで手が荒れるから冷たいのを我慢して水で洗ってたけど、もう我慢の限界!という方が、多少高くなってもいいから食洗機買っちゃう!ということもあるかもしれません。
5年使って感じる食洗機を使うメリット
実際に食洗機を使い始めて5年経過しました。
そこで、使っていて感じるメリットを振り返ってみました。
- 節約できる
- 食器洗いのストレスから解放される
- 手荒れの悩みがなくなる
- 時間ができる
食洗機を使うメリット①|節約できる
ここまで節約になるのか書いてきましたが、手洗いよりも食洗機の方が少ない水で洗うことができるのは間違いないです。
食洗機が手洗いの1/6(NP-TZ500だと1/7だそうです!)の水量で洗ってくれるということは、予洗いの時に水を使う事を加味しても、食洗機で洗った方が水道光熱費全体としても安くなってるのかなと感じます。
ただ、費用面での節約にはそこまで気にしていないので、いつの間にか節約になっているなら万々歳です。
食洗機を使うメリット②|食器洗いのストレスから解放される
個人的に食器洗いから解放された事が1番のメリットです!
どれだけストレスから解放されたかを食洗機導入before→afterで検証してみました。
- 朝食後、皿洗いは1番後回し。長女を幼稚園に送り届けて帰ってきたら、洗い物の山を見てゲンナリ。
- 皿洗いはできるだけやると言っている夫が皿洗いをやってない!イライラするし、時にはケンカになる。
- 皿洗いをしている時に、子供同士でケンカ勃発。誰かしらが泣いて皿洗いが進まない。
- 朝食後、夫が食洗機を担当。
- 自分は長女を送り届けて帰ってきたら、皿洗いが終わってる!
- イライラもケンカもなくなり、なんならお皿を並べるゲーム感覚に楽しさを見つけた夫が率先してやってくれるように!
- 子供がケンカになる前に、ささっと食洗機にお皿をセットして完了!イライラなし!
このように、食洗機を買ったことで、家族の笑顔が増えました。
また、子供が大きくなってきた現在は、自分が食洗機をやることが多くなりましたが、5分で作業は終わるのでノンストレスです。
また、疲れていて夫に頼んでも、5分で終わるから嫌がられることもありません。
食洗機を使うメリット③|手荒れの悩みがなくなる
地味に悩みのタネだったのが手荒れ。
ゴム手袋をしてると、どうしても滑ってお皿を割ってしまったり、素手じゃないとヌルヌルしているところが分かりづらいので、そもそもゴム手袋があまり好きではないということもあり、素手で手洗いが基本。
そうすると、冬場はお湯を使って洗ったりするので、すぐに手が荒れます。
CMのように傷口がぱっくり開いて、薬を塗ったり、常にハンドクリームが手放せない日々。
タオルで拭いただけでピリッと痛むのが、毎回ストレスでした。
それが食洗機になったらどうでしょう。
嘘のように手荒れが治りました!!(泣)
指先がカサカサで固かったのも、指の関節がごわごわしていたのも、痛かったあかぎれも、みんなさっぱりきれいに治りました。
地味にかかっていたハンドクリーム代、絆創膏代がかからなくなるので、お金の面でも嬉しいメリットでした。
食洗機を使うメリット④|時間ができる
食洗機を使うことで、手洗いしていた時間を自由に使うことができるようになります。
これまで4人分の食器洗いは15分程度最低でもかかっていました。
それが5分で済みます。
0歳の赤ちゃんと2歳の幼児がいた当初は、浮いた10分が本当に貴重でした。
一日2回食洗機を回すとして、20分/日時間ができます。
1週間で140分、映画1本観れます。
1ヶ月で620分、連続ドラマ全話観れます。
そんな妄想しなくても、実際早く食器洗いが手から離れるので他のことができるのです。
それでも感じる食洗機のデメリット
これだけ便利で、洗い物のストレスから解放され、食洗機様様と思っていても、意外な残念ポイントはいくつかあります。
- 意外と音がうるさい
- 事前の予洗いがちょっと面倒
- 食洗機で洗えないものがある
食洗機を使うデメリット①|意外と音がうるさい
食洗機を実際に使ってみると、意外に音がうるさくてちょっと困りました。
我が家は、リビング・ダイニング・キッチンが同じ空間にあるため、食洗機が稼働しているとテレビの音はいつもの音量だと聞こえません。
食洗機の音で子供や夫に話しかけられても聞こえない時があって、移動してから話を聞くようにしています。
据え置き型の最新機種の音がどれくらいなのか分かりませんが、ビルトイン式食洗機に変わっても音の困り事は変わっていません。
食洗機を使うデメリット②|事前の予洗いがちょっと面倒
お皿に残ったカスや、こびりついた汚れなどを、食洗機に入れる前に洗って落とすのですが、これが意外と面倒。
というか、まぁまぁ水を使ってしまいます。
とはいえ、3分程度で済むので、ストレスにならないレベル。
事前の予洗いをしておかないと、終わった後でも汚れが残っていたり、残りカスなどが故障の原因となるそうなので、なるべくササッと予洗いして入れてます。
食洗機を使うデメリット③|食洗機で洗えないものがある
高温で洗浄するので、熱に弱いものや、クリスタルはくもってしまうなど、食洗機NGのものを覚えておく必要があります。
参考:食洗機が苦手なもの/Panasonic
- クリスタルガラスなどの高級ガラス食器
- アルミ製の鍋や食器
- 金器、銀器、錫器
- テフロンなどのフッ素樹脂加工のフライパンや鍋
- 漆塗りのもの
- 耐熱80℃未満のプラスチック
慣れてくるとそこまで神経質にならずに、洗えるものと洗えないものを判別できるようになります。
また、食洗機対応していない食器や調理器具も少しずつ食洗機対応に切り替えていくことでストレスが減ります。
総じて、大事な食器でなければ、あまり気にすることなく食洗機で洗えてます。
食洗機はお金の節約ではなく時間と家事ストレスの軽減のために買うもの
食洗機を購入する理由はなんでしょうか。
水道光熱費を節約したいから?
毎日の皿洗いが苦痛だから?
忙しいからできるだけ時間を作りたいから?
人それぞれ理由は違うと思います。
我が家が購入した理由は、時間の節約と家事ストレスからの解放です。
夫婦で家事分担が裏目に出た食器洗い
まだ子供が赤ちゃんの頃、2人の子育てに家事をする余裕がなく、夫と家事を分担することになりました。
寝かしつけがあるため、夜の皿洗いは夫の担当。
しかし、仕事で疲れて帰ってきて、たまに飲み会もあり、朝起きたらまだ洗ってない食器がそのまま残っていたなんてこともしばしば。
できなかったという理由は理解できますが、時間が経つとお皿についた汚れもこびりついて落ちにくくなるから、皿洗いが終わっていないことにとってもがっかりするのです。
夫自身も家事育児に協力したいという気持ちはあるものの、そもそも皿洗いがそこまで好きではないため、やる気が出ません。
我が家が食洗機を導入した決め手
正直食洗機は高い家電だし、なくても影響はありません。
それでも、夫婦間のトラブルの元になることが多く、ストレスの原因にもなっていました。
- 優先順位の低い家事が残っていることへのストレス
- 皿洗いのことでの夫婦のいさかいが多い
- そもそも2人とも皿洗いが好きではない
- 皿洗いに結構時間が取られる
皿洗いに関して、これだけの負の要素が絡んでいたため、家事負担・ストレス軽減のために食洗機購入を決めました。
5年経った今でもその決断は間違っていなかったと感じます。
もう食洗機の無い生活に戻れないほど、大活躍してくれています。
毎日抱えているストレスや困りごとを無くして、ハッピーに過ごせるなら食洗機導入は前向きに検討する事項だと思います。
最新機種について詳しく解説していますので、最近の食洗機がどんなものかチェックしてみてください。
食洗機が必要だと感じたらまずは行動!
色々とデメリットを書いたものの、だいたいは『慣れ』で我が家は解決しました。
このブログを書いている今も食洗機が頑張ってくれています。
やっぱり食洗機が生み出してくれている『時間』が何よりもありがたい。
そのために買ったと言っても過言ではない。
だから、一度買うとやめられないのだと思います。
我が家なら、壊れたらまた買います。
もし迷っているのであれば、まずはキッチンの置けそうなスペースの寸法を測って、家電量販店で実物を見てみましょう!
分岐水栓式いける?タンク式のスリム型じゃないと置けない?
などなど見えてくるものがあります。
まずは一歩踏み出してみましょう。
実際購入から設置まではどんな感じ??イメージが湧くようにこちらもチェック!↓↓↓
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